金属のいろは

 金属材料は古代中国の青銅器のように古くから使われている材料ですが、現在においても輸送機器、鉄橋、建築物、電子機器、食品容器など様々な分野で使用されており、生活に欠くことのできない材料です...

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 金属材料は古代中国の青銅器のように古くから使われている材料ですが、現在においても輸送機器、鉄橋、建築物、電子機器、食品容器など様々な分野で使用されており、生活に欠くことのできない材料です。今年度の技術解説では「金属のいろは」と題し、3回にわたり金属材料について解説します。今回は、金属材料の概要と代表的な金属である鉄について解説します。第2回では、金属材料の強度について、第3回では金属材料の腐食について解説する予定です。
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 金属材料は強いにも関わらず、変形することができる材料です。このような特徴は金属結晶と転位に由来します。また、金属は熱処理や変形を伴う加工により硬く強くなったり、軟らかくなったり、また脆くなったりと強度の特性が大きく変わります。今回の技術解説では金属材料のこのような強度の仕組みについて解説します。
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 腐食は金属材料を使う上で避けることができない劣化現象です。一説によると日本国内の腐食やその対策にかかるコストは、GNPの3〜4%と巨額な費用になると言われています1)。金属の腐食発生のメカニズムを知り、的確な対策をとることができれば、製造コストの削減や製品の信頼性向上につなげることができます。今回の技術解説では金属材料がなぜ腐食するかについて解説します。