バルブのいろは(1)ー構造と接続方法ー

 バルブは流体(液体または気体)の流量を調整するための開閉する仕組みを持つ機器で「弁」とも呼ばれます。バルブは、身近なところでは上下水道やガス配管に用いられる他、油圧機器における力の調節や化学プラントにおける材料の供給など広く用いられ、私たちの生活基盤を構成する上で欠かせないものです。
 滋賀県は彦根市を中心に関連企業を含め約100社、従業員1,500名からなる全国有数のバルブ産地で、水道用では全国シェアの50%以上を占めるほか、産業用、船用など様々なバルブが生産されています。
 そこで、本技術解説では数回にわたりバルブを取り上げます。本号では、バルブの構造と分類、接続方法について図を交えて説明します。
図1 バルブの構成要素
図2 代表的なバルブの構造
図3 逆止弁(スイング式)

1.バルブの構造と分類

■バルブの構成要素

 バルブは、圧力を保持する「弁箱」、流量を調整する「弁体」、開閉操作を行う「弁棒」、「ハンドル」などから構成されます。玉形弁を例にとって構成要素を図1に示します。

■代表的な構造と特徴

 バルブは、構造や用途から分類されます。また、開閉を人力で行うものとモーターなどの動力で行うものがあります。構造は様々な方式が提案されていますが、玉形弁(globe valve)、仕切弁(gate valve)、ボール弁(ball valve)およびバタフライ弁(butterfly valve) は代表的なものです。これらの特徴を表1、構造を図2に示します。

 表1 代表的なバルブの特徴

 

玉形弁

仕切弁

ボール弁

バタフライ弁

サイズ

面間

重量

高さ

最高

シール性能

普通

普通

流れやすさ

×

中間開度での使用

×

×

×

耐久性

×

アンバランストルク

■逆止弁

 前節で述べたバルブは、弁棒を操作することで流量を制御するのに対し、図3に示す逆止弁(check valve)は流体の圧力差により弁体の開閉を行い、流体が一方向だけに流れるように作動します。その意味では、特定の用途に用いられるものですが、広く用いられることから多くの場合基本形式に分類されます。

■用途による分類

 バルブは用途により一般機械装置用、船用、屋外水道用などに分類されます。屋外水道用は上水、下水に分けられます。上水用では、金属の溶出など安全・衛生面の基準を満たす必要があります(水道法等)。また下水用では、混入する汚泥、砂や発生する硫化ガスなどによる腐食対策が必要となります。機械装置用、船用では、水の他、石油類、ガス、化学薬品など様々な流体が流れ、圧力、温度などが異なる様々な環境で使用されます。また船用のバルブでは、「省スペース」「航行中に出来るだけ修理しなくて良い」「船内での作業がしやすい」などが重要となります。

図4 接続方法
図5 フランジとガスケット

2.バルブと配管の接続

 バルブの選定において必要となる呼び径と呼び圧力について述べるとともに、バルブと配管の接続について説明します。

■呼び径

 呼び径は、配管の内径を基準として配管やフランジの大きさを規定する呼称で、ミリメートル単位のA呼称(100A, 200Aなど)とインチ単位のB呼称(3/8B, 4Bなど)があります。

■呼び圧力

 呼び圧力は、圧力の区分をkgf/cm2単位で規定する呼称で記号Kをつけて表します。例えば、呼び圧力10Kは、圧力区分10kgf/cm2 (すなわち1MPa)を表します。ただし 同じ呼び圧力であっても、定められた条件の下で性能を保証する定格圧力は製品ごとに異なります。

■接続方法

 バルブと配管との接続について、フランジ形、ウェハー形(フランジレス形)、ねじ形、溶接形(突き合せ溶接、差込溶接)などが良く用いられます(図4)。

 水道用では、呼び径50A以下でねじ形、それ以上でフランジ形が多く用いられます。

■フランジ接続

 フランジ接続では、配管およびバルブの接続面をガスケット(パッキン)を介してボルト締結します。
バルブに用いるフランジの口径は、一般機械装置、船、屋外水道の用途別に、呼び径(この場合はA呼称のみを用いる)と呼び圧力を用いてJIS B 2001に定められています。

 水道用では、呼び圧力7.5K, 10K, 16K, 20Kなどが定められています。フランジ寸法は、10K, 16K, 20KについてはJIS B 2220、およびB 0100などに、7.5Kについては、JIS G 5527、およびG 2062などに規定されています。

 さらに、フランジ面はガスケットの形式によりRF形(大平面座形)とGF形(溝形)があり、GF形ガスケットには1号(メタルタッチ)と2号(メタルタッチでない)があります。これらを図5に示します。RF形は汎用性に、GF形は耐震性に優れます。

参考文献および関連規格

  1. バルブの基礎知識 滋賀バルブ協同組合 2010
  2. バルブ便覧 社団法人日本バルブ工業会 2010
  3. 布施谷:バルブの法令・規格・選定に関わる疑問 バルブ技報 No.51 2003
  4. 安栗:水道用バタフライ弁と仕切弁に係わる疑問 バルブ技報 No.51 2003
  5. 大山:JIS B220の改正 バルブ技報 No.53 2004 JIS B 0100-2013 バルブ用語
  6. JIS B 2002-1987 バルブの面間寸法
  7. JIS B 2011-2010 青銅弁
  8. JIS B 2001-1987 バルブの呼び径及び口径
  9. JIS B 2220-2012 鋼製管フランジ(管フランジの寸法は、かつてJIS B 2210「鉄鋼製管フランジの基準寸法」で規定されていたが、B 2220に移行した。この経緯は文献5に詳しい。)
  10. JIS B 2239-2004 鋳鉄製管フランジ
  11. JIS G 5527-1998 ダクタイル鋳鉄異形管
  12. JIS B 2062-1994 水道用仕切弁

図1〜5は文献1、および表1は文献3より転載いたしました。

■問い合わせ先

機械・金属材料担当(彦根庁舎)
TEL 0749-22-2325