化成品

No. 症状/対処 質問内容   回答内容
1 異物・汚れ オイル中に浮遊しているゲル状物の分析はできますか。 赤外分光光度計(IR)で分析すれば調べることができます。ゲル状物を分収後、有機溶剤で洗浄し、IR分析を行ったところ粘度調整剤であるアクリレート系樹脂であることが判明しました。オイルの使用環境から考えて、おそらく気温の低下により同樹脂が不溶化し析出したものと考えられます。
2 接着不良 熱圧着したシートの接着強度ムラの原因調査はどのように行えば良いでしょうか。 赤外分光光度計(IR)やガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)を用いて接着剤の熱安定性を調べたり、走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡を用いて接着部位の状態を観察することで、材料状態についての情報を収集し、多角的に評価していきます。
3 劣化・破損 オイルの熱分解・劣化について評価はできますか。 いろいろな方法で評価できます。一例として、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)を用いることで、熱分解条件(温度・加熱時間)のみでなく、発生する分解物の分析まで可能です。
4 塗布性 製品印字用インクで塗布不良が発生しました。良品/不良品の差を調べるにはどうすれば良いですか。 塗布不良の原因がインクの粘度によるものと仮定し、動的粘弾性測定を行ったところ、不良品の粘度が良品よりも高いことがわかりました。さらに熱重量分析(TG)による熱分解挙動の測定結果から、不良品は有機溶剤量が少ないことがわかり、これが粘度の差に現れ、塗布不良に繋がっていったものと考えられます。
5 物性評価 材料に塗装をしています、同じロットで塗料が垂れ落ちるものと落ちないものがあります。原因究明のための評価方法を教えて下さい。 センターにレオメータ―という機器があります。この装置は、せん断速度を変化させて、粘度の違いを測定することにより、塗料等の物性変化を観察することができるものです。このお問い合わせの場合では、レオメーターにより塗料中の粒子濃度や分散状態の違いが原因であることがわかりました。