粘弾性のいろは

 今回は、粘弾性というレオロジーと呼ばれる分野の範疇であり、少し分かりにくいと思われがちな内容について解説します...

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 今回は、粘弾性というレオロジーと呼ばれる分野の範疇であり、少し分かりにくいと思われがちな内容について解説します。プラスチックに代表される高分子材料は、粘弾性と呼ばれる粘性と弾性の両方の特性が表れやすいという特徴があります。また、プラスチック以外の材料においても、液体の状態で加工したり、粒子を液体に分散させたペースト状で利用する事があるため、固体での弾性を中心とした特性に加えて、液体状態での粘性を評価することも重要視されています。塗料は、塗り易さとタレにくさが大切であるため粘度の評価を早くから工業的に重要視している例ですし、食品や化粧品などでは人の触覚を数値化をする方法として粘弾性が利用されており、その応用は非常に幅広い分野に広がっています。
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 前回に続いて、粘弾性やレオロジーと呼ばれる分野の内容について解説します。前回は多くの材料が加工される際に大きな影響がある粘性を中心とした内容でしたが、今回は、プラスチックから金属などにも関係が深い弾性について解説します。主に加工後の製品の特性として測定する事が多い弾性ですが、一般的な測定(静的)では正確な値が得られます。反面、手間がかかるために熱による変化の様な多点測定については、連続的に測定出来る動的粘弾性測定装置が材料開発など沢山の実験が必要な場合には有効な方法です。